10月6日のロイターの記事によれば、ジョン・マカフィーが再び逮捕されたらしい。
私は昔からMcAfee社のウィルス対策ソフトを使っていたから、wired誌に載ったジョン・マカフィーの数奇な半生を読んで驚愕したのを覚えている。彼がMcAfee社の事業を売却してベンチャー企業の創業に関わり、リーマンショックで1億ドルもの個人資産の多くを失い、ベリーズに隠棲し、殺人の容疑をかけられて逃亡し、2011年にグアテマラで逮捕されて米国に送還されるまでの話だったと思う。
2010年代後半に暗号資産に賭けて再び大富豪となったジョンは、業界では有名な大口投資家となった。しかし、彼が再び暗号資産をめぐる不正行為や脱税で起訴され、今度は逃亡先のスペインで逮捕されたという。米国に送還されれば5年の実刑が予想されていると報じられている。
元々はロッキード社のエンジニアで、新しい技術に目端が利き、ビジネスの才覚もあった人物が、2度も大儲けに成功しながら、波乱万丈の人生の末に刑務所に入ることになるというのも、人生の悲哀を感じる。彼はもう75歳だから、5年間収監されたら、たぶん3回目の大儲けのチャンスは巡ってこないだろうが、もしこれから彼が自叙伝を書くのなら、ぜひ読んでみたいものだ。