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Financial Timesのコロナ死者数のグラフ

久々にFTの人口当たりコロナ死者数の各国推移のグラフを見た。そもそもコロナ死者数が正確に記録されているのか、という問題提起の記事だが、このグラフにはちょっと思い入れがある。

上の当該グラフのスクリーンショットで、数多ある国の曲線から日本だけをちょっと太くし、赤く彩色してみた。記事で青くハイライトされているフランスと比較して、日本の曲線が短いのがわかるだろう。でも、欧州で騒ぎになるよりもかなり早く、日本でコロナの死者が結構出たことが話題になっていた。日本人が海外で「コロナ、コロナ」と呼ばれて暴力を振るわれるという事件もあった。

横軸は日数だから、本当はこのグラフは欧州諸国よりも日本のほうが長いほうが自然なのだ。当初、この横軸の始期の基準は「最初に3人を超えた死者が出た日からの日数」と書かれていた。それなら、日本は中国の次ぐらいに早かったはずだ。

そう思ったので、FTのデータ作成者に私がメールして、グラフを修正するよう求めたのだが、グラフは修正せず、軸の説明を変更することになったという経緯がある。それが今の説明文である。横軸は、「最初に死者数が3を超えてからの日数」ではなくて、「最初に死者数の7日移動平均値が3を超えてからの日数」だという説明になっている。

他の国では急激に死者が増加したので、どんな基準にしても始期は大差ない。しかし、日本だけ、一日に5-7人の死者が出る日がありながらも、移動平均値がギリギリ3を超えない期間が3週間くらいあった。このために、実感に反して、日本の線は横軸がやや短いのだ。実際はごく初期から感染があり、高齢者の死亡もあった。だから、実際には日本だけはもう少し右に移動して見たほうが実態に近いと思う。まあ、今となっては大した違いはないのだけれど。