NHKの7月16日11:30のニュース「ビットポイント 流出した暗号資産 顧客に払い戻す方針」より
暗号資産に詳しい京都大学公共政策大学院の岩下直行教授は「不正流出したときに、きちんと被害を補償できるようにする態勢づくりは進んできた」と話しています。一方、注意点として「暗号資産の取り引きが始まったころには一つの交換会社がここまで大量の資産を預かるという状況は想定されていなかった。交換会社や金融当局に不正アクセスを受けないよう安全性を高める取り組みが求められるのはもちろんだが、取り引きをする人たちも暗号資産には大規模な流出が起こりうることを認識しておく必要がある」と話しています。
この取材で、私がNHKの記者さんに読んでおいてね、とお伝えしたのは、以下の論文でした。
情報処理学会デジタルプラクティス「暗号資産への脅威と対策─ ビットコインの社会への展開による変質 ─」
「暗号資産の取り引きが始まったころ」は、サトシ・ナカモトが実装を始めた2009年頃のことで、その頃は当然取引所はありませんでした。上記論文では、「取引所ができたのが、サトシの世界からの最初の逸脱であった」と書いたのですが、ニュースではそうした趣旨をお伝えいただいたのだと思います。アナウンサーの方には、慣れない概念がたくさん出てくるためか、ちょっと読みにくそうで申し訳なかったですが。