ベルリンのホテルの部屋のテレビでBloomberg を流していたら、急に暗号資産のハードウエアウォレットの解説が始まって驚いた。Ledger Nano Xの関係者がゲスト出演して、「交換業者に預けるのは危険だから、自分で秘密鍵を管理しましょう」と説明してる。キャスター達は意味が分からない様子で、「そんなの使い道がないじゃない」といったコメント。とはいえ、ついにここまで来たかと思った。
ハードウエアウォレットは、上手に使えば交換業者が攻撃されるリスクからは逃れられるが、今度は自分が攻撃されるリスクを抱えることになる。機器の故障やパスワードを忘れるリスクも高まる。素人が気軽に使えるものではないと思う。そこまでする人はかなり特殊な人と思っていたが、こうして一般の投資家向けの番組で紹介するようになったとはちょっと驚いた。
一部のスマホにハードウエアウォレットが組み込まれていると報道されていたが、それは話題作りの類いだろうと思う。しかし、こういう番組で繰り返し宣伝されれば、利用しようとする人が増えてくるかもしれない。
残念だが、一般の投資家のリテラシーがそんなに高まっているとは思えない中で、盗難や紛失のリスクが本当に下がるかも疑わしい。色々な意味で不安になる放送内容だった。