またまたdiarネタですが、今回は割と昔からある話。diar最新号に「Bitcoin Fees Drop to 4-Year Low as Transaction Count Continues Rise」という記事が載っています。これってデータは言わずと知れた
https://www.blockchain.com/charts/transaction-fees-usd
この辺の統計ですから、昔から馴染みのあるグラフが並んでいます。
改めて見てみても、2017年末のスケーラビリティ問題の顕現化時の手数料の高騰は酷いものでした。最近かなり取引件数が戻ってきており(Transaction Count Continues Rise)、いつまたスケーラビリティ問題が再燃してもおかしくない状態にあることもまた事実です。でも、「手数料がドルベースで2014年のレベルにまで落ち込んでいる(Bitcoin Fees Drop to 4-Year Low)」というのはどの数字のことか分かりにくい。記事に掲載されているグラフも真数スケールで描かれているので、2017年末に高騰していること以外は、ほぼ全期間、ゼロに張り付いてしまって大小関係がわかりません。
そこで、blockchain.comの1日手数料収入総額データと取引件数データを割り算して1取引当りの手数料を出し、それを対数のスケールで描いてみると、なるほど、足元で$0.1まで落ちていて、2016年頃の水準に戻っています。これって、手数料総額はそこまで落ちてないのですが、件数が増えているので1取引当りで見ると落ち込みが大きい訳ですね。でもさすがに、2014年~16年初は今よりも低いので、「2014年以来の低水準」というのは、ちょっと不思議ですね。
とはいえ、1年少し前は、1取引当り50ドルを超えることもあった手数料が、最近は0.1~0.2ドル近くまで下がっているのは、確かに注目すべき点だと思います。手数料の総額でみると、高騰時には1日20億円に達する日もあったわけですが、今は1日数百万円ほど。マイニング報酬の総額は1日1800 BTCとして高騰時は40億円あったのが現在は7億円位です。マイニングの難易度は最近かなり落ちたとはいえ、1年前の3倍位難しいので、マイニング業者の収支は相当厳しい状況にあるはずです。相場高騰時と比較しても仕方ないのですが、今の状態が長期的に安定した状態にあるとも思えませんから、今後、どこかの数字が何某かの変化を起こすのだろうと思います。