ベラルーシ“世界初”トークン化証券取引 仮想通貨で株式・金購入可 “申込殺到“ 2時間2,000件
日本語の翻訳記事しか読んでないので、誤解しているかもしれないけれど、もし記事に書かれた「外資を引き込みたい」という狙いが事実なのだとすれば、BTCやETHで投資家が購入しているのは、金(gold)そのものや、Apple社の株式そのものではなくて、「それらと似たような値動きをする、某ベラルーシの企業が発行する何か」なのだろう。平時には機能するかもしれないが、ストレス時にはどういう権利関係になっているか、取引を継続可能なのか、現時点ではよく分からない。
外国の有価証券に投資する仕組みは既に色々あって、その国の中に閉じた仕組みであれば、例えば日本でも外国投信や ADR (American depositary receipt) といった投資対象はあるし、国内の規制に従い、証券会社が責任をもって売買を仲介してくれる。投資金額と証券会社の信用力が釣り合っていれば(つまり、仲介する企業にとって過剰な投資でなければ)、ストレス時もちゃんと機能するものだ。しかし、暗号資産を利用して国境を跨いで取引されるとなると、このベラルーシのインフラ企業の信用力が問題になる。
本来、そうした問題を生じさせず、信頼できる仲介者が不要だったはずのBTCが、どんどんこうした付属品が付けられることによって、本来の特性を失っていくのは、仕方ないことなのかもしれない。だったら既存の証券会社を介した仕組みの方が遥かに信頼できると思うのだけれど、多分そういうことでは人気が出ないのだろう。さて、この疑似的な外国証券市場がどう機能していくか、しっかり見ていきたいと思う。