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BTC Dominanceに注目

ビットコインの価格は、投信組入れの規制報道を巡る思惑で上下したものの、1か月で2000ドルほど値上がりし、8000ドル前後となっている。私が注目しているのは、ビットコインの全仮想通貨流通総額に占めるシェア( BTC Dominance)だ。coinmarketcap.comの最上段に出る BTC Dominanceは、本年初の32%台から4月に一時45%にまで上がったものの、再び低下し、5月には35%台となっていた。それが、ここ数日で一段と上昇し、47.3%と年初来ピークを更新した。つまり、他の仮想通貨に対してビットコインが相対的に値上がりしているということだ。

2017年の仮想通貨の急騰以前は、 BTC Dominanceは85-90%が当たり前だったが、2017年の前半に急落した。その後、2017年末のBTC相場過熱時に63%台まで上がったが、その直後に半減していたのだ。BTCに代わってシェアを上げたのはETHが中心だったが、2017年末以降、上位10位に入らない非主流派の仮想通貨が大きくシェアを上げたことが見逃せない。もちろん、「上位10位」の中身が入れ替わっているのにグラフが対応していないこともあるのだが、メジャーとは言えない仮想通貨の価格が上がったままになっていたことは気になっていた。

5月のMonacoinに対する51%攻撃以来、51%攻撃を受ける事例が相次いで報道され、非主流派の仮想通貨はそのシェアを下げてきている。Othersと分類されるもののシェアは、ここ2か月ほどで5%程度は下がっているが、まだ20%はある。ここにはTetherとかCardanoといった、上位10位の新顔も含まれているが、全体として運営の実態が不明なものが多い。ビットコインの価格形成については何とも言えないけれど、技術面や運営面ではある程度の透明性はあるといえる。技術面の基本的な透明性がないものは、仮想通貨全体を是とする立場であっても、なかなか評価は微妙だと思う。

BTC Dominanceがどこまで戻るか、あるいはまた下落するサイクルに入るのか、注意してみていこうと思う。