ブログ

Blog

  • ホーム
  • ブログ
  • 「サマータイム導入でもITシステムには問題ない」と主張する人の考え方

「サマータイム導入でもITシステムには問題ない」と主張する人の考え方

話題になっていたので、この筆者のメルマガも含めていろいろ読んでみました。政治的な発言の多い方で、立場は保守というのか、反左翼というのか、いろいろと決めつける発言の多い人ですね。割ととりとめのないことを乱暴な言葉で断定調に書くタイプのようです。ITジャーナリストと名乗る割に、ITの話があまり出てきません。著書に飛ぶリンクもあったので、ざっと見てみましたが、「元プログラマー」と名乗っている割には、webマーケティングやら、SEOやら、webサイト運営やらの指南書が並んでいます。多分、プログラマーというよりも、主にwebデザイナーかその営業をやられていたのではないかと推察します。現在はweb制作を請け負う会社を経営されているようですが、関係しているサイトに飛んでもSSLに対応しているサイトは皆無で、「保護されていない通信」と表示されます。文字コードもShift_JISが多かったりして、ちょっと古い感じのサイトが多かったですね。私なら、あまりサイト制作をお願いしたくないタイプです。

筆者のサマータイムに対する主張が、「そんなの(誰かが)対応してるに決まっているだろ」というものだとすると、それは実態をよくご存じないから出てくる発言でしょう。かつてPOSシステムの開発に関与された経験についてお書きでしたが、現在のPOSシステムは結構複雑なので、「バチっと電源を落として、その後の立ち上げで日時の変更をすればよいだけのこと」とはなっていません。個人のウェブサーバーならどう運用しても勝手ですが、他のシステムとリンクし同期をとって動くものの場合、「バチッと切る」のは避けたほうがよいでしょう。

戦後すぐの一時期を除き、日本にはサマータイムがなかったので、その中でシステム開発すれば、誰も、「サマータイムが導入されてもスムーズに動き続けるシステム」なんて要求しないし、要求されなければ作りませんし、そんなテストはしません。だから、実際には誰もそんな対応はしていないのです。

ただ、こういう発言が、政治的な発言の多い方から出てくるのは、ちょっと気持ちが悪いです。サマータイム導入に反対しているIT技術者は、別に現政権に対して政治的に反対する立場の人ではないと思います。純粋に技術的な立場から、「準備時間が短いから不可能だ」、「コスト効率を考えるともっとよい方法がある」と言っている人ばかりです。これを、「現政権に盾突く立場」と解釈し、勝手な論理や不正確な知識で「サマータイムを導入しても問題ありません」と断言するのが現政権をサポートする立場だ、などというのが社会の雰囲気になってしまったら、黙ってしまう人も少なくないでしょう。現政権をサポートする立場であってもなくても、サマータイムの導入が社会的混乱や大きな非効率を生み出すリスクが高いのであれば、それをきちんと発信できる世の中であってほしいと思います。

MAG2.COM
「サマータイム導入はコンピュータシステム的に難あり」は本当か – まぐまぐニュース!
政府が導入を検討しはじめた「サマータイム」。来年の新元号への切り替えと合わせてコンピューターシステムへの不安が懸念されていますが、「まったく問題ない」と突っぱねるのは、ITジャーナリストの宮脇睦(みやわ….