ビットコインが価格を少し戻し、$7000/BTCに達しそうです。7月末の$8000から一時$6000まで下げていたから、半値戻しということになります。
一方、仮想通貨の流通総額を見ると$225Bとなっています。7月末に$300B前後だったのが、月中$200Bを切るまで落ち、そこからあまり回復していないいうことです(図1)。
この傾向は、BTC Dominanceに表れています。足元で53.3%。長期時系列のグラフを見ると、昨年末の高騰時の水準には及ばないが、年初来の高さに達しています(図2)。
アルトコインに色々な問題が指摘されていますから、ビットコインへの回帰が起きるであろうことは過去にも書いてきましたが、とはいえビットコインの価格が回復傾向にあると安心してしまうことはできません。市場には、Tether問題という重石があり、不安が解消されていないからです。むしろ、8月下旬にTetherの発行量が増え、既往ピークを更新したことが気になります(図3)。
ビットコインの相場が大きく戻れば、Tether問題の潜在的な不安は軽減されると考えられますが、逆は逆です。そこに正のフィードバック回路が存在することが、問題をより深刻にしていると思います。
来月の仮想通貨相場は、どんな展開を見せるでしょうか。私は仮想通貨については何のポジションも持っていませんから、ミステリー小説を楽しむような気持ちで相場を眺めています。