日経新聞の「チャートは語る」では、月に1回くらい金融ネタをやるけれど、このとのころ同じような主張が続いている(日経新聞、2021年4月11日)。コロナ対策の金融緩和、財政出動の結果、投機マネーが不穏な動きをしていることが繰り返し指摘されている。
日本の株・不動産バブルもそうだったし、米国のサブプライムバブルもそうだったけど、人々が一斉に強気化し、政策もそれを支えると信じる状況が生まれると、どうしても相場が一方向に振れてしまう。それに警鐘を鳴らすのは、過去のそういう出来事を見てきた世代の責任だと思うけれど、国により業種によりばらつきがあるから、なかなかそういう声は大きくならない。その意味では、この連載の主張は良心的なものだと思うけれど、世界で拡大する強気化の流れを押しとどめることは難しいだろう。
「ワクチン投与の進展で米国では景気急回復への期待が高まる一方、米連邦準備理事会(FRB)が緩和政策の継続を明確にしていることがマネーをリスク資産に向かわせている。」
日本はワクチン投与に出遅れたのが大きく、強弱まだら模様という感じだが、特にここ1か月くらいの米国の強気化には激しいものがある。とはいえ、さすがに米国は、あのリーマンショックから10年と少ししか経っていないので、行き過ぎを警戒する声がこれから徐々に強まってくることを期待したい。