4月2日のBTCの急騰から始まった暗号資産の相場上昇は、BTC/USDでみて4000が8000と倍増したところで一服し、今は7000台で推移しています。この間、一時60%を超えたBTCのシェアは56%に下がって今のところ安定しています。相場上昇が始まる前は50%だったことを考えると、BTC独り勝ちの構図ですが、主要アルトコインもそこそこ追いついてきている感じもします。
ここ3か月間のグラフを並べて、何が起きたかレビューしてみましょう。まずはBTC/USDです。直近レートは4月1日対比で+88%です。
次に、全暗号資産の時価総額の3か月間の推移です。直近は4月1日対比で+66%です。
コイン毎の時価総額のシェアです。BTCが50%⇒60%⇒56%と推移しています。アルトコインが5月15日頃から追随してきているのがわかります。
今回のBTCの急騰は、Tether問題に対するNY司法長官の発表とそれを受けたTether社側の部分的な情報開示で、Tether問題が解決はしないものの、一応のアク抜けをしたことが大きかったように思います。もちろん、同時期の世界的な株価の下落が、代替投資先としての暗号資産に注目を集めるきっかけとはなったと思いますが、その効果はそんなに大きいとは思いません。過去において、株価が暗号資産の価格に影響したことはあまりなかったですからね。
問題のTetherですが、同じ時間軸で価格推移を見てみると、必ずしも安定したとは言い切れない訳ですが、とりあえず1ドルのペッグは維持している感じですね。
このTetherは、BTCに次ぐ第二位の取引金額を続けてきた、とこれまで説明していたのですが、最近の高騰局面ではBTCを上回る取引金額を記録することも少なくありません。
時価総額でみると、現段階でTetherはBTCの1/80しかありません。過去の局面でも、 Tetherの回転率がBTCの 数十倍以上にならないと、逆転はしない訳で、取引所が報告している限りの統計では、BTCの取引のほとんどは対Tetherということになりそうです。この辺は、Griffin&Shamsの「demand-drivenか、supply-drivenか」の議論を踏まえて、何が起こっているのかを冷静に見極める必要がありそうですね。