キャッシュレス化問題を語るうえで、加盟店が負担する手数料は重要な論点なのですが、その詳細は営業上の秘密ということで、十分には開示されていません。でも、クレカの手数料が販売金額の4%程度だとか、スイカに対応する読み取り機をタクシーに設置するのに40万円かかるという噂話を総合すると、日本の既存キャッシュレス決済が求めてきた加盟店手数料は高すぎるのではないかと思います。
スマホとインターネットでほぼ無料で小口決済が提供されるようになった今、キャッシュはもとより、従来型のキャッシュレス決済も大きな淘汰の波に晒されるのは不可避だと思います。いまだに、日本のキャッシュレス比率を増やすためにクレジットカードの利用を増やそうという議論があるのですが、それはちょっとズレた議論だと思います。
むしろ、資金決済法の下でのスマホ決済事業者が増えてきたときに、その事業者が不正な取引の犠牲となり、消費者の利益が侵害されることはないか、決済システム全体の信頼を揺るがすことがないか、といった点からの議論が必要になってくるでしょう。なお、QRコードが注目されますが、そこはNFCでもbluetoothでも何でもありだと思います。
そのうえで、100万円の上限もなく、かつてはリテール決済の主力であった銀行預金の役割がどう変わっていくか、銀行のB2Cサービスの戦略が問われると思います。クレジットカード業者も、既存のVISA-Masterとは違うソリューションで新たなビジネスモデルを作っていくチャンスが訪れたと考えるべきだと思います。